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Yellow Twin Packバルブについて

1.Yellow Twin Packバルブの概要

従来、化学装置に使用されるさまざまな腐食性流体のうち、最も多く発生するバルブトラブルの原因の一つに、塩素ガスおよび液体塩素があります。
塩素ガスや液体塩素は、容器内では腐食性がほとんどありませんが、塩素用のバルブにおいては次のような問題点があります。
  1. グランドパッキン部からの漏れによって、グランドパッキン上部と弁棒との接触面、弁棒ねじおよびグランドボルトやナットのねじ部が腐食します。これは、漏れた塩素が空気中の水分や雨水と結びついて塩素と次亜塩素酸となり、金属部分を腐食するためです。
  2. 弁棒およびその摺動部、弁体および弁座のシート面などに塩化物が附着して、バルブ操作の不具合、シート漏れ、グランドパッキンの損傷などを発生させます。
  3. ご存知のように、塩素は軍用毒ガスの一種であり、塩素の漏洩は公害問題となります。
    当社は、塩素用バルブの製作実績と、徳山・千葉・鹿島・苫小牧の各メンテナンス工場で塩素用バルブの修理を行った多数のバックデータに基づいて、新製品の「Yellow Pack バルブ」を開発しました。このバルブは外側全体を黄色に塗ってあるのが特徴です。

2.構造・材料

  1. パッキン室の基本構造は、当社独自の「Twin Pack バルブ」です。
  2. グランドパッキンは、テフロン製の特殊なリップパッキンを使用しています。
  3. 弁棒とヨーク構造は、仕切り弁・玉形弁とも弁棒非回転上昇式です。
  4. 弁座、弁体のシート面、弁棒など接触摺動面は、特殊な表面処理を施してあります。
  5. バルブの外観は、全て黄色の塗装を施してあります。
  6. 低温液体塩素用バルブの標準ボディ材料は下記の通りです。
    鍛鋼バルブ(1 1/2”以下)・・・・・ASTM A350-LF1
    鋳鋼バルブ(2”以上)・・・・・・・・・JIS G5152-SCPL1

3.特徴

  1. グランドパッキン部からの漏れがありませんので、公害防止に最適なバルブです。
  2. 「Twin Pack バルブ」機概の特徴であるグランドパッキンの寿命が従来のバルブの数倍あり、補修費用が大幅に低減できます。
  3. 弁棒は、仕切り弁、玉形弁の別なく非回転上昇式ですので、グランドパッキンの損傷がありません。このため、メンテナンスフリーの期間は、ますます長期になります。
  4. グランドパッキンは、パッキンメーカーとの共同実験などを通じて、耐塩素用の最適品を仕様しています。
  5. 要部部品の表面処理を行っていますので、長時間使用しても塩化物が附着しにくく、バルブの開閉操作はスムーズであり、シートの漏れがなくなります。
  6. 長年にわたって培ってきた多数の汎用低温弁の実績をもとに、自信を持って低温材料を選定、ご提案します。

「Yellow Twin Pack バルブ」と従来バルブとの性能比較表

用途・仕様など
「Yellow Twin Pack バルブ」
汎用バルブ
ベローズバルブ
1.毒性・悪臭などの公害防止
×

2.グランド部のメンテナンスフリー度

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3.大口径バルブの製作難易度


×
4.腐食性流体用としての安全度

×
×
5.異常昇圧に対する安全度


×
6.流体抵抗の優越


×
価格の優劣


×

4.仕様

  1. 呼び圧力(クラス)
    呼び圧力は、JIS 10k、20k、ANSIクラス150#、300#が標準形です。
  2. 呼び径(サイズ)
    呼び径は3/8”~1 1/2”(鍛鋼バルブ)、2”~12”(鋳鋼弁)が標準形です。
  3. バルブ種類
    仕切り弁、玉形弁(ニードルバルブを含む)および、アングルバルブの3種類が標準形です。
  4. 寸法
    ①面間寸法は、「Twin Pack バルブ」の項の寸法表のものを標準形として採用しています。
    ②フランジ規格は、JIS、10k、20kおよびANSIクラス150#、300#が標準形です。
    ③特殊仕様
    呼び圧力、呼び径、材料、バルブ種類、面間寸法、フランジ規格など、特殊なご用途向け設計・製作も受けたまっています。
    ぜひ当社営業部へご相談ください。
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